財政危機をどう乗り越えよう?
議員定数の法定上限の撤廃と議会の活性化の関係について
皆さん、こんにちは。
ただ今、ご紹介いただきました大竹 昇です。本当に暑い中、大竹昇後援会主催の「龍ケ崎をかたろう」にご参集いただき有難うございます。
私は皆さまのご支援、ご指導の下、議員として1年4ヶ月経ちました。皆さまの代弁者として現状をしっかりと把握し、ご報告することは勿論のこと、時の問題点をドンドン議論し、輝かしい龍ケ崎市を共に創り上げていきたいと思っております。これからのひととき、お耳を傾けてください。
私がこのようなフォーラムの開催に踏み切りました直接の動機は、6月の第2回定例会で、議員提案の議案、「議員定数を24から22への削減案」が可決されたことです。私は、議員として、この手続きと審議過程に納得ができません。その理由をこれからお話させていただきます。
結論的に申しますと、議論をしない議会は、議会制民主主義ではありません。
「地域主権」の時代を見据えて……とか、これからの龍ヶ崎の将来は……とかなど、本来の議論とまったく関係のない議会になってしまいます。
私は、大げさに言うと地方自治の破綻、崩壊もっと端的に言えば、自殺行為だと思います。
この定数問題は、議員自ら、また議会が勝手に決していく問題ではないのです。議会のあり方や市民の皆様の考え方など十分に議論をして、なお慎重を期して議会で決するのが、議会制民主主義の根幹ではないでしょうか。皆さん、そう思いませんか。
過去の定数削減問題に関して、龍ケ崎市の実例を話させていただきます。今回の24から22への決め方は、明らかに過去の取り組みと違っていることがわかります。
平成22年2月26日、「陳情第4号 市議会議員定数の削減を求める陳情書」に関して、龍ケ崎市議会は、特別委員会を設置しました。「議員定数および政治倫理に関する特別委員会公聴会」を平成22年5月28日に、午後1時30分から午後4時17分まで、長時間ににわたり協議した経緯が残っております。構成メンバーは、議会側は特別委員会杉野委員長をはじめ9名、議会事務局3名、公述人賛成5名、反対6名、です。ちなみに、傍聴人はなんと41名もいました。
この案件は、平成22年3月17日に全会一致で継続審議となり、2度の継続審審議後、平成22年9月24日に、賛成少数で不採択となりました。その後、平成23年3月24日、選挙前に26人から24人に全会一致で可決されました。
では、今回はどうでしょうか。議員定数削減議案(24から22に)が6月の定例会に出され、当然ながら、議会運営委員会にて協議をされ、特別委員会にて協議すると決定されました。
過去の例でもそうですが、定数の削減に関しては、事前に要望や世論の喚起があって、陳情等によることから取り組んできました。しかるに今回は、一部与党系議員が、先の議員報酬10%返上を元に戻す議案の代替案とも思えるような提案だったのです。行政的に見れば、議員の報酬10%削減がなくなった分だけ定数を削減すればトントンというようなお話しの趣でした。いかにも筋が通っていて、これなら、コストも増えないのだからいいでしょう式の理屈のように見えます。
ところがです。全員協議会にて、議運委員長から特別委員会にて協議する旨の話がありました。慣例と過去の取扱いからすれば、当然のことでした。しかし、特別委員会は設置されず、議案の審議は議会で論じ決を採ればいいという結果になりました。
この成り行きも、間違いとはいえないかもませんが、市民の代弁者、代表である議員の定数を決めるには、従来のように慎重審議の上からも特別委員会を設置するのが常道だと思います。
それをスルーして提出した議員グループの議席が半数を超えていることをよしとして、議会での形式的な質疑応答で削減を図ろうとしたことが大問題でした。
龍ケ崎市議会は過去の先例も含め、慎重な審議、少数意見の確認も含め、多様な意見を議員以外にも求めて定数問題を審議決定してきましたから、まったく異常な光景でした。
このことを異様な進展だと思わない議員がいるとすれば、私から見れば、市民の代表なのかと心配になります。過去にいい慣例があるのに、少数意見は完全に無視されました。
みなさん、怒りを覚えませんか。議会制民主主義は多数決で物事を決するのですが、少数意見を尊重し、決定までの過程を大切にすべきと、小学校に時教わりました。
しかし、今の龍ケ崎市議会は違うのです。困りました。任期はあと2年8ヶ月もあるのです。この時期にどうして慣例を無視し、市民の皆さんのご意見も拝聴しないで、まさしく暴走したのか、本来ならば、前例のように特別委員会を設置し、なおかつ公述人の意見をよく聞き、市民、有権者の意見や考え方を十分反映した中で結論に導き出すということが、当然ではないでしょうか。いかがですか。
このように、先ほど申しましたように、龍ケ崎市議会は機能不全になっているのです。みなさん、よくよく記憶に留めてください。
このような議会ですから、今回取り上げた若柴公園テニスコート修復工事のような、わけのわからない発注がなされるのです。私達議員の事業仕分けの失敗です。
民間のテニスコートの仕様書ご存知ですか。市民の皆さん、お分かりですよね。
民間のテニスコートの仕様内容は、ハードコート仕上げです。
この度のテニスコートは、財政難といいながら、民間コートより仕様グレードの高い人工芝のコート修復工事費を、市債すなわち借金2,700万円してやるといい、約3,000万円弱にて決まったと聞き及んでおります。
みなさん、中山市長は、第3次健全化プランで、中長期視点から「公共を皆で担う」という新しい公共の理念のもと、公共の仕組みを変えようと謳っているので。少子高齢化社会を迎えて扶助費が増加している状況下です。なぜ民間より贅沢な公共サービスを行うのか大いなる疑問が生じます。これが「新しい公共」を構築する姿勢か、はなはだ疑問です。
民間企業を活用する時代に、逆につぶす結果にならなければと願ってやみません。皆さん心配になりませんか。
今日の財政難の責任は、執行機関である行政ばかりでなく、先ほど述べたように議会の責任が半分あります。
さて、龍ケ崎市議会の[議会改革]の1ページを覗かせていただきます。皆さんの手元にお配りました。見てください。
平成19年に「地方分権改革推進法」が施行され、市議会における行政への「監視・チェック機能」「政策立案機能」の発揮が求められており、お手元の資料は龍ケ崎市が「議会改革に関する協議会」を設立して協議した結果だそうです。私には、何が「議会改革」だか見えてきません。みなさんはいかがですか。
市民の求めている「議会改革」は、市民の代表者の集まりが行政の執行状況を監視し、意見を言うことにあります。確かに市長も市民が選出していますから、議員と共にその両方が市民の負託にこたえる立場にあるのです。しかし、市が企画し事業計画を立案し、予算を立てて、議会がその内容を精査し、適切な規模で執行することを承認するはずでした。
その議会が議会の決まりごとや、少数意見も含めて適切な意見に収斂する手続きを阻害している点が多いことから、改革論議が議員の中から出てくるのです。メカニズムはともかく、端的に言えば、財政を立て直しなさい。それにつながるような議会の在り方を議論し改革してくださいよ、というのが本筋です。
しかし、一方では、結果的に、執行機関の追認議会なら、数はいらない。ともいえますから、先の定数問題も、一見無駄に多い議員なら少なくていい式の答えを出しているのかと思います。
そこで、お手元の改革内容をご覧になって、皆さんの思われる議員の本来の姿勢を考えた場合の議会改革の結果が適切かどうか、もう一度お考え願いたいと思います。
私は、「新しい公共」の理念のもと自治基本条例を市民・議会・行政によって制定することが、行財政改革の近道であり、それには、議会制民主主義を取り戻さねばならないと思っています。
市民の皆さんの心境を重ねて申しますと、議員・議会のイメージが「金権政治すなわち財政音痴」・「密室政治すなわち審議不在」・「分配政治すなわち政局主義」などなどに、龍ケ崎市も薄々そうなっているのではないかとうんざりしていると思っておられるのではと思います。それなら議員はいらないと、定数削減、報酬削減に共鳴されているのではと思います。しかし、それでは、議会制民主主義が成立しません。市長の独裁体制になります。
ちょっと例としては違いますが、鹿児島県阿久根市のような暴走政治になりかねません。
だから、昨年8月11日に、総務省が地方分権化の一環として、「地方公共団体の自由度の拡大を図るための措置」として、地方公共団体の議会の議員定数について、上限数を人口に応じて定めている規定を撤廃することに決めたのだと思います。
私は、この意味はかなり大きいととらえました。国は以前から、地方自治体の二元代表性のデメリットが想像以上に各自治体に侵食し、分権を進める障害として認識していたようです。
ここで、地方自治法制定から60年以上を経て機能してきた、日本の地方議会の二元代表制の問題点を浮き彫りにしますと
- 市長が執行権限を行使するためには議会の理解と協力を得る必要があるため、議会の中に与党的な勢力を形成せざるを得なくなる。このため、執行機関に対して監視的役割は野党的な勢力のみが担うことになりがちになる。
- 議会の活動が、執行機関の監視に重点が置かれ、決議機関として議会をみたときに、条例立案など政策形成について執行機関に大きく依存しがちになる。
- よって、議決権の行使は、本来、最も重要な議会の権限であるにもかかわらず、現実には市長の提案を追認する傾向になっている。
本来、二元代表制は、市長の議案に対して同じ民意を反映すべく議会の意見が対立することは、当然「想定内」なのです。
市長と議会という二つの代表機関の間で批判、異論、反論が戦わされ、これを対立のままに終わらせず、議場で議論を交わし折り合いをつけ合意を形成するプロセスを示してみせることが、政治家としての市長及び議員の職務だと思います。
ですから、商業用語で申しますと、「今の生活者は、今まで十人十色と表現してきた言葉を一人十色、十人一色の時代」と表現いたします。このように、住民の価値観の多様化や複雑化している環境においては、単に議員数削減ではなく、多様な価値観を有する多くの議員すなわち世代間、地域間、職業間、男女間等々あらゆるセクションからの人材登用が不可欠なのです。
ここで私は、現在の報酬総枠内で議員の定数増を提案いたします。
現在議員の報酬は約600万円です。私が考えるに、行政は、13の地域コミュニティセンターを形成しようとしています。地域力を発揮できる中核コミュニティセンターが確立できると想定するならば、小選挙区で13名、全地域区から31名。合計44名とし、報酬は半分の約300万円ということで、多様なる価値観を有した議員の誕生が、今までの不信を一掃し、議会のチェック機能・政策立案型機能のもつ議会制民主主義の再生になります。
私は当事者すなわち利害関係者です。このことは、今日お集まりの皆さんが本気になって考えてくださって、しっかりと輪を広めていただきたいと思います。
最後になりますが、本日のフォーラム開催準備にあたり、色々な市民の皆様にもご意見をいただきました。議員として個人の能力や情報には限界もあります。しかし、私を議員として活かすために、多くの皆さんがサポートしてくださり、また後援会の皆さんとはいろいろな議論を交わしてきました。
私自身、今までの市会議員諸兄と少し違った議員活動をと、心がけております。色々なご意見一つ一つに真剣に向き合って、解決できるような努力を私の周りにおられる皆さんと共に知恵を出しながら進めたいと思っております。
幸い、ホームページを開設することができました。今流行のスタイルにはしておりません。こつこつと一つひとつの事柄に考え方や信念を込めて対応したいと心がけております。どうぞ宜しく、ご利用をお願い申し上げます。